ごつ盛りの鳴いた日
ごつ盛り:東洋水産株式会社の展開する、 「ごっつい大盛り」をコンセプトに豊富なラインアップとお手頃価格で好評を集めているカップ麺ブランド。株式会社バーグハンバーグバーグが運営するwebサイト「オモコロ」にてライターの原健一郎氏により度々言及される。
あなたはごつ盛りの鳴き声を聞いたことがあるだろうか。
あれは確か、2019年の終わり頃。
蓋を開けて中の小袋を取り出し、さぁお湯を注ごうというとき。
「きぅ」
それはいかにも「鳴き声」と呼ぶにふさわしい、か弱い声だった。
あの音は一体何だったのだろうか。
仮説1:何かしらの生物が容器内に潜んでいた
容器内にネズミなどの小動物がいて、その鳴き声が聞こえたのでは?
現実的な考えだが、可能性は低いだろう。
まず、私が聞いたのは鳴き声のみであった。
また、鳴き声が聞こえたその瞬間、偶然にも私は容器にかなり耳を近づけていた。(理由は忘れたが、当時「偶然耳を近づけていた」と認識したことをはっきりと覚えている)
ならば、鳴き声以外にも何かしらの音を聞き取っているはずである。
また、容器内に居たのならばその後どこへ行ったのかという疑問も沸く。
その後食べたラーメンの中に異物は入っておらず、逃げた形跡も一切見受けられなかった。
よって、この説は否定するべきだろう。
あと、本当だったとしたらめちゃくちゃ怖いので信じたくない。
仮説2:ラーメンの精の声だった
以前読んだ漫画に、「ラーメンの精」というキャラクターが登場した。
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/33494.html
ラーメンの精はヒト(Homo sapiens)と同程度の知能を有する小型の人型実体で、確かカップ麺の容器の内部空間を移動する能力があったはず。
ということは、あの鳴き声は容器内にワープしてきたラーメンの精の声だったのではないか?
仮にそうだったとすると、疑問が一つ残る。
私が聞き取った声は、「きぅ」といういかにも鳴き声らしい音であった。
いや、正確にはどんな音だったかは覚えていないが、「いかにも鳴き声らしい音だった」と思ったことははっきりと覚えている。
はたして彼がそのような鳴き声を発するだろうか。
先程説明した通り、ラーメンの精はヒトと同レベルの知能を持ち、発話能力も人並みである。
ならばもし彼が私に声をかけるなら、はっきりと日本語で話すのが自然である。
よってこの説には疑問の余地が残るため、他の仮説を検証するべきであろう。
仮説3:何らかの原理により内容物が音を発した
異物が混入したのでないのなら、ごつ盛りの正常な構成要素が鳴き声のような音を出したということになる。
何がどうなって音が鳴るのか、原理は全く想像できないが、発生条件に関してはひとつ心当たりがある。
当時私は風邪を引いていて、喉を保護するために加湿器を使用しており、室内の湿度が高くなっていた。
「湿度」と「音」といえば、「抹茶ラテの粉(お湯を入れるだけで飲めるやつ)を湿度の高い部屋で放置すると『パチ...パチ...』と音が鳴る」という現象を何度も体験したことがある。
音の感じこそ違えど、多湿という条件が鍵を握っているというのは「ありそうな話」ではある。
ということで、再現実験を試みた。
まず、空き缶に水を入れ暖房機の前に置く。
誰が何と言おうと私にとってこれは加湿器である。
暖房の熱により缶の中の水が温まり、蒸発することで室内の湿度が上昇するという仕組みだ。
水蒸気が充満したところで(湿度計が無いから分からんが)ごつ盛りを開封する。
改めて内部を観察してみる。
発声器官になりそうなものは、無い。
耳を近づけ、無言で待つ。
・・・
暖房の駆動音だけが部屋に響く。
・・・
鳴き声は、聞こえなかった。
何が悪かったんだ?
何が違ったんだ?
思い出せ。
2019年の12月の終わり、時刻は深夜、室内は高温多湿。
確かPCを使っていて、見ていたのは…オモコロチャンネル?
いや、オモコロの記事だったかもしれないし、オモコロ杯用の記事を書いていたかもしれない。
とにかく、オモコロに関する何かだった。
・・・
何かがおかしい。
「『偶然耳を近づけていた』と認識した」
「いかにも鳴き声らしい音だった」
「とにかく、オモコロに関する何かだった」
元々記憶力のよい方ではないが、それにしたってこの曖昧さは妙だ。
形を持った鮮明な記憶かと思いきや、ふたを開ければ出てくるのは煙のようにぼやけた記憶だけ。
思い出せ、あのとき何が起きていた?
立ったまま耳を近づけた?椅子のきしむ音ではなかった?No練習かくし芸の動画ではなかった?眼鏡を探す夢は冷めた?顔の廻る夢を見た?昼のニュースはどこの景色だった?鹿の毒を川で洗った?隕石はどこに落ちた?頭を打って首に痣ができた?図工室で消しカスが跳ねた?エスカレーターにいつ乗った?岩の下で何が動いた?
分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない思い出せない分からない分からない思い出せない分からない