変な千羽鶴を作ろう
こんにちは、チオールです。
冷蔵庫の下から失礼します。
突然ですが、皆さんは千羽鶴というものをご存知でしょうか。
千羽鶴とは折り鶴(鶴という生物を象った紙製の構造物)を1000個束ねたオブジェクトで、古くから健康・復興・世界征服などの雑多な祈りごとに使われてきました。
今の世情を鑑みて「千羽鶴を作って祈りを捧げたい!」と思う人も少なからず存在するようですが、それに対して私は常々こう思っていました。
というわけで、今回は私が発見した「普通じゃない千羽鶴」の作り方を紹介します。
作り方
作り方といっても特別なことをするわけでは無く、単に「普通じゃない折り鶴」を折るだけです。
作る折り鶴の種類は場合によって変わりますが、今回は27種類の折り鶴を37羽ずつ作りました。
というわけで、1種類ずつ紹介していきます。
#1:"羨望"
頭と尾が無く、片方の翼が3枚ある鶴です。
写真の横の白黒の図形は基本構造の展開図(を2色で塗ったもの)です。
同じ物を作りたい人は展開図を見ていただければ大体の構造が分かるかと思います。そうでない人も「不切だなぁ」とだけ思っていただければ十分です。
※折り紙には「不切正方形一枚折り」という流儀のようなものがあります。今回作ったものの中には長方形の紙から折ったものや複数枚の紙を使ったものもありますが、切れ込みを入れたものは無いです(不切)。
こんな感じで、番号と名前と展開図をセットにして1つずつ紹介していきます。(名前と番号はつけなくても問題ありません)
なお紹介写真に写すのは1羽だけですが、実際は先ほどの説明通り1種類につき37羽ずつ折っています。
#2:"微"
微小な鶴です。1.875cm角(15cm普通紙の1/8)の紙で折りました。
名前が1文字だったり2文字だったりするのには特に意味はありません。(そもそも名前をつけること自体必須ではないです)
#3:"歪"
全身のバランスが激しく歪んだ鶴です。
#4:"偏"
全身のバランスが激しく偏った鶴です。正方形を半分に切った1:2の長方形から折っています。
真上から見るとこんな感じです。
#5:"満足"
翼と尾が無く、代わりに頭が5つある鶴です。1:√2の長方形(コピー用紙等と同じ比率)から折っています。
#6、#7:"寄生"
小さい鶴に寄生された鶴です。コンセプトや基本構造が同じものは、極力まとめて紹介していきます。
頭が下を向いてしまうため、左の方は写真写りが異様に悪いです。
#8、#9:"断裂"
身体が縦に真っ二つに裂けた鶴です。
#10:"彩"
色の違う4つのパーツが合体してできた鶴です。
個人的な話ですが、複数の紙を使う場合はノリやテープなどを使わずに紙の力だけで安定化するようにするという拘りがあります。
#11:"三編"
頭と首が絡み合った鶴です。展開図は普通の折り鶴と全く同じなので省略しました。
3羽の折り鶴でできていますが、この状態で「1つ」としてカウントします。(なぜならば37は3で割り切れないので)
#12、#13:"多翼"
翼が沢山ある鶴です。
紙の重なりが多かったりして折り辛いものは、ホイル紙(片面にアルミニウム箔を張り付けた紙。普通の折り紙用紙を買うと大抵2枚だけ入っている)を裏返して折っています。
#14:"鬼腕"
異常に発達した片腕を持つ鶴です。
#15、#16、#17:"多首"
頭が沢山ある鶴です。
#18:"瞬"
残像を残しながら超高速移動をする鶴です。
「平坦に折り畳める構造の展開図は2色で塗り分けられる」という定理があるのですが、こいつは平坦に折り畳めないので3色で塗っています。
#19:"樹"
大木と一体化した鶴です。
#20:"果実"
大木から産み落とされた鶴です。
#21:"連結"
ひとつながりの鶴です。1:4の長方形から折っています。
普通紙から切り出すとサイズが小さくなって折り辛いので、A4コピー用紙を使いました。
胴体と翼は4羽分ありますが、これで「一つ」と数えます。(なぜならば37は4で割り切れないので)
#22:"開"
真っ平に潰されてもなお鶴であり続けようとする物体です。
#23:"復元"
バラバラになった我が子を拾い集めて背負う鶴です。
#24:"蛇尾"
頭部が巨大な龍になった鶴です。
身体だけでなく頭の方もショボいのは、単に私の技術が低いせいです。
#25:"四脚"
4本の長い足を持つ鶴です。
#26:"虚飾"
非常に大きな飾り羽を持つ鶴です。
飾り羽のせいで重心が後ろに偏っているため、自立しません。
#27:"殺"
巨大な花と一体化した、4本足の鶴です。
普通じゃない折り鶴を折り終わったら、大きな普通の鶴を折りましょう。
そして、その中に999羽の鶴を詰めてください。
そして最後に、
全て燃やしてください。
狂鶴の儀
世に魑魅魍魎の跋扈せし時、異形を模したる鶴を九百九十九羽折り、大折鶴の腹に詰めて焼くべし。
さすれば異形の者共の魂は術者の身に封じられ、その身を焼けば魂は開放されん。
hassium277.hatenablog.com