偽計数学妨害罪

うるせぇ、こっちは遊びで数学やってんだよ

ARuFa氏の将来を予測したい

こんにちは、108Hassiumです。


先日、こんな動画を見ました。


www.youtube.com



こちらの動画は、バーグハンバーグバーグ社が運営するwebメディア「オモコロ」において毎週木曜日に配信される人気コンテンツ「匿名ラジオ」の一部です。


動画内において、ダ・ヴィンチ恐山氏は友人であるARuFa氏について、


「28歳とは思えないような幼稚な言動が多く、まるで7人の4歳児のようである」


といった趣旨の説明をしています。


これを聞いて、私は思いました。


「ARuFaさんの中身って、どう年取るの?」


今年の4月21日にARuFa氏は29歳の誕生日を迎えられましたが、7人の4歳児たちはいったいどうなったのでしょうか?


来年には30歳という節目を迎えられますが、その時の精神年齢は何歳なのでしょうか?


というわけで、ARuFa氏の内面について、数学的に考察してみます。

前提

まず、考察に必要な前提条件を決めます。

  • 前提1:ARuFa氏の精神は少なくとも1人以上の人物により外部から操作されている。

「7人の4歳児である」ということの現実的な解釈です。


図で表すと、以下のようになります。


f:id:Hassium277:20200906154125p:plain


以降、ARuFa氏の精神を操作する人物のことを「中の人」と呼びます。

  • 前提2:ARuFa氏の実年齢が28歳のとき、中の人は7人いて全員4歳である。


当然の大前提です。


ちなみにこの説、ARuFa氏が出演するほかの動画のコメント欄でも散見され、どうやらファンの間ではある程度定着しているようです。

  • 前提3:ある年に中の人を担当する人物の年齢は全て同じであり、その総和はARuFa氏の実年齢と等しい。

上記の仮定の一般化です。


最初に紹介した動画内で、ダ・ヴィンチ恐山氏は28歳という年齢について「14歳2人抱えてるんだからな」とも言っていました。


「4歳7人説」とこの「14歳2人説」とでは「年齢は全員同じ」「年齢の総和は実年齢と同じ」という点が共通しており、ダ・ヴィンチ恐山氏は何らかの根拠を持って(または無意識に)この仮定に従っていることが予想できます。


以下、ARuFa氏の実年齢をn、人数をa_n、中の人の年齢をb_nとします。


なお、nの変化の仕方は通常通りとします。


いくら自由奔放なARuFa氏でも、物理法則には従うはずです。(根拠はありませんが)





では、以上の3つの仮定の下、ARuFa氏の内面の変遷を分析していきます。

仮説1:最大素因数説

28を二数の積に分解するパターンは、順序を考慮すると以下の6通り存在します。

  • 1×28
  • 2×14
  • 4×7
  • 7×4
  • 14×2
  • 28×1


ダ・ヴィンチ恐山氏はこの中から(a_n,b_n)=(7,4)を選んだわけですが、その理由は何でしょうか?


私が最初に注目したのは、7は28の最大の素因数であるという点です。


つまりb_nnの最大の素因数で、a_n=\frac{n}{b_n}」という法則性があれば、3つの前提を満たすことができるというわけです。


というわけで、この仮説に従ってARuFa氏の2~100歳までの人生を計算しました。


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まずa_nの値が乱高下しているのが目立ちますが、これはn素数のとき、a_n=nになるせいです。


またb_nの値も、64のような小さい素因数しか持たない年齢のときは大きな値になります。


というわけで、この仮説の下ではARuFa氏は精神年齢が乱高下する不安定な人生を歩むことになります。


「精神年齢が乱高下するからこの説は正しくない」というわけではありませんが、この説が正しいという決め手もないので他の説についても検証してみます。

仮説2:中央説

別の着眼点として、「a_nb_nの組み合わせの候補をa_nが小さい順に並べたとき、(a_n,b_n)=(7,4)は真ん中に来る」というものがあります。

  • 1×28
  • 2×14
  • 4×7
  • 7×4
  • 14×2
  • 28×1


これを一般化してa_nnの約数で、\sqrt{n}以上で最小のもの」とし、ARuFa氏の2~100歳までの人生を計算しました。


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n素数のときにa_nがデカくなるのは変わりませんが、この仮説の下では常にa_n≥b_nになるため精神年齢は(非常に小さい値で)安定しています。

仮説3:篩説

今まではARuFa氏の精神年齢の変化だけに着目し、中の人達の加齢については触れていませんでした。


ARuFa氏と同様に中の人達が正常に加齢していくと仮定した場合、例えば「7人の4歳児」から「29人の1歳児」に変わるときは中の人は別の人達と交代することになります。


一方で、29人の1歳児は1年後には2歳になり、次の年が「15人の2歳児」であった場合は29人中の15人が続けて中の人を担当することができます。


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人件費などの都合上、このような中の人の使いまわしが行われている可能性は否定できません。


ということで、使いまわしを多用して中の人の総人数をできる限り減らした場合について考えてみました。


試行錯誤の結果、「中の人の総人数が少なくなりそうなアルゴリズム」を発見し、それをもとにしてARuFa氏の2~100歳までの人生を計算しました。

※計算方法の説明は割愛します。大まかにいうと「エラトステネスの篩」と同じような感じで、空いている数値1つを埋めた後でそこから使いまわせる部分を全て埋める、という感じです。


まず、各年齢ごとの人数と精神年齢の変化は以下のようになりました。


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グラフの形状は仮説1のものと似ていますが、92歳のときの精神年齢が46歳でその次の年が1歳になっていたりと振れ幅が大きく、仮説1よりもさらに不安定になっています。


ちなみに総人数は、仮説1の場合(使いまわしにより限界まで減らした場合)1384人、仮説2は1472人、そして仮説3の場合は1356人でした。


3つの仮説の中ではちゃんと仮説3が最小になっていますが、それよりも仮説1と2で大きな差があるのが面白いですね。

30歳のARuFa氏

最後に、3つの仮説によるデータをもとにして、30歳のARuFa氏の運命がどうなるかを予測してみましょう。


具体的には、以下の項目を比較し、共通点を探します。

  • 精神年齢
  • 人数
  • 初担当年(30歳のときの中の人達が、ARuFa氏の中の人という役職を初めて経験したときのARuFa氏の実年齢)
  • 担当回数(30歳のときの中の人達が、それ以前にARuFa氏の中の人という役職を経験した回数)
人数 精神年齢 初担当年 担当回数(以前の担当年)
仮説1 5人 6歳 26歳 3回目(26,28)
仮説2 6人 5歳 30歳 1回目(なし)
仮説3 3人 10歳 22歳 3回目(22,25)


何ということでしょう、担当回数以外同じ値がありません。


しかも担当回数が一致したといっても、担当した年齢の組み合わせが全然違うため実質的にほぼ何の情報も読み取れないことになります。


...しかし、よく考えてみるとこれは当然の結果であるようにも思えます。


奇想天外な発想力・行動力を持ち味とし、「手の込んだ奇行が得意」と評されるARuFa氏の行動が予測可能であっていいはずがありません。


ということで、今回の検証ではARuFa氏の将来を予測するという目的は達成されなかったものの、ARuFa氏の面白さを数学的に裏付ける結果を得ることができました。

おまけ:別のアプローチ

最後におまけとして、没ネタを一つ紹介します。


本編では物理法則の整合性を考慮して、中の人の加齢速度をARuFa氏本人と合わせていました。


このため中の人は何度も交代を強いられていましたが、実は一切交代せずにずっと同じメンバーで中の人を務める方法があります。


相対性理論という単語に聞き覚えはないでしょうか。


私は厳密な中身は知らないのですが、相対性理論の帰結として「高速で移動する乗り物の中では、時間の流れが遅くなる」というものがあります。


ということは、中の人が乗った人工衛星に地球の周りを高速で周回させ、中の人の加齢速度を下げることにより、人員の交代なしで3つの前提条件を満たせるようになるはずです。


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  • 没理由1:中の人の年齢が整数でない年がある(例えば29歳のときは「7人の\frac{29}{7}歳児」になる)のが気に入らない。


具体的な数値は、等速円運動の遠心力の式、地球と人工衛星にかかる重力の関係式、相対性理論における時間の遅れの式などを組み合わせることで計算することができます。

  • 没理由2:このあたりの解説がどうやっても面白くならなかった。
  • 没理由3:等速円運動における時間の遅れの式が分からなかったので、等速直線運動での式で代用するしかなかった。ネタ記事では科学的な雑さはジョークとして多少は許されるべきだと思うが、今回のはそういう種類のものではない気がした。


計算の結果、中の人達が乗った人工衛星地球の中心から136kmの位置を周回すればいいことが分かりました。





なお、地球の半径は6371kmです。

  • 没理由4:人工衛星が地中に埋まってしまった。