偽計数学妨害罪

うるせぇ、こっちは遊びで数学やってんだよ

新演算の話の続き

こんにちは、急にブログのアクセス数が伸びてビビった108Hassiumです。


今回はたまたま拡散力のある人の影響を受けただけのような気がするので、今後は自力で注目を集められるように努力したいと思います。


さて、伸びの要因となった前回の記事ですが、書ききれなかった話題が残っているのでブチ撒けたいと思います。



※前回
hassium277.hatenablog.com

定義域


あの記事では簡単さを重視したため、定義域についてあまり触れていませんでした。


例えば+₂の定義を導出(?)するとき、自然数のときだけ成り立つa+_2(2^n)=a^nという式を勝手に実数に拡張して定義を完成させていました。


別にこの類の議論を真剣にやるつもりは毛頭ないんですが、完成した定義がどこまで適用可能なのかはちょっと気になります。


まず、

  • 指数関数の定義域は実数全体
  • 対数関数の定義域は正の実数全体
  • 対数関数の値域は実数全体

なので、a+_2b=2^{(\text{log}_2a)×(\text{log}_2b)}はaとbが正の実数であれば問題なく定義できます。


次に、a=0の場合を考えます。


\lim_{a→0}2^{(\text{log}_2a)×(\text{log}_2b)}は、\text{log}_2b>0のとき0に収束、\text{log}_2b≤0のとき発散します。



よって、b>1のとき0+_2b=0で、b≤1のときは0+_2bは定義できません。


+₃もやってみましょう。

  • f_2(x)=\text{log}_2(x)の定義域は0≤x
  • f_2(x) \begin{cases}>0&\text{if} x>1\\=0&\text{if} x=1\\<0&\text{if} 1>x>0\\=-\infty&\text{if} x=0\end{cases}
  • f_3(x)=\text{log}_{\text{log}_23}\text{log}_2xの定義域は1≤x
  • f_3(x) \begin{cases}>0&\text{if} x>2\\=0&\text{if} x=2\\<0&\text{if} 2>x>1\\=-\infty&\text{if} x=1\end{cases}


よって、a+_3bの定義域はa≥1かつb≥1かつa=1⇒b>2かつb=1⇒a>2です。


これ以降もf_n(x)の性質を調べることにより定義域を求めることができます。


ちなみにグラフ描画ツールでf_n(x)を描画してみると以下のようになりました。



左からf_2(x),f_3(x),...f_{14}(x)です。


x=n-2のときf_n(x)=-\inftyになることが分かりますね。

a_nの値


a_nの値がどのぐらいになるか気になったので、計算してみました。

  • a_2=2
  • a_3=1.58496250072...
  • a_4=1.50500706643...
  • a_5=1.47703345501...
  • a_6=1.46441664438...
  • a_7=1.45779923502...
  • a_8=1.45395293508...
  • a_9=1.45154291646...
  • a_{10}=1.44994359602...
  • a_{11}=1.44883308728...
  • a_{12}=1.44803324887...
  • a_{13}=1.44743953920...
  • a_{14}=1.44698757563...
  • a_{15}=1.44663607244...


あれ?もしかして何かの値に収束する?


1.44ぐらいの定数...あっ!


e^{\frac{1}{e}} ?!


本当にe^{\frac{1}{e}}になるのかはわかりませんが、指数やら対数やらが入り乱れる式の極限がe^{\frac{1}{e}}になるというのは「ありそう」な話ですね。


ちなみに、e^{\frac{1}{e}}x^{x^{x^{.^{.^.}}}}が収束するような最大の実数xであるという性質があります。


こちらのブログ「アジマティクス」さんに、この話に関する詳しい解説があります。


www.ajimatics.com


この記事、すごいです。一見の価値ありです。


(全然違う値だったら嫌だな)

合成演算

※ここから本編


あの記事で散々ボロクソに叩いた、「冪乗の分配法則」。


a^{b+c}=(a^b)×(a^c)


これを見て、ふと思いました。


「足し算と掛け算を『合成』して冪乗ができたみたいだ。」


こう考えると、+_{n+1}は「+_n+_nを合成したもの」と捉えることができます。


というわけで、演算の合成について考えました。

"&"


まず、新しい演算子"&"を考えます。


これは何に使うかというと、「+_a+_bを合成した演算を+_{a\&b}とする」と書くのに使います。


例えば+_2+_2を合成すると+_3になりますが、これを+_{2\&2}と書く、という事です。


要するに「整数でないxに対して+_xを定義したい」という話なんですが、私の数学力ではa\&bを実数と見做せるかどうかはわかりませんでした。


なので、とりあえずここからは「a\&bは多分実数として扱えるだろう」という仮定の上で話を進めます。


数学力が有り余っている人はその真偽について真剣に考察してみると面白いかもしれません。(知らんけど)





まず、a\&bが満たすべき性質として現時点でわかっていることを挙げます。

  • a\&a=a+1
  • A+_{a\&b}(a\&b)=A


これだけです。


どちらも+_n演算の性質の共通点です。


なお、2番目の式との整合性が取れないためa+_{0\&1}b≠a^bとし、冪乗は+_aの形で表せないものとします。


せっかく話題を提供したのにその話題から排除されるなんて憐れですね。

合成


次はいよいよ合成演算について考えます。


+_a+_bの合成演算+_{a\&b}は、以下の性質を満たすものとします。

  • A+_{a\&b}(a\&b)=A・・・単位元の存在
  • A+_{a\&b}((a\&b)+_aB)=A+_b(A+_{a\&b}B)・・・分配法則


分配法則が何か妙な形をしていますが、これは「テトレーション」のような例のための対策です。


テトレーションは冪乗をさらに拡張した演算で、以下の性質を持ちます。

  • a↑↑1=a
  • a↑↑(1+b)=a^{a↑↑b}



計算してみるとわかると思いますが、テトレーションには従来の形の分配法則が成り立ちません。


合成演算でもこのような現象が起こることを考慮して、あのような形に制限したのでした。





さて、まずはa+_{0\&1}bを計算してみましょう。

  • a+_{0\&1}(0\&1)=a
  • a+_{0\&1}((0\&1)+_0)=a+_1(a+_{0\&1}b)

a+_{0\&1}(\underbrace{(0\&1)+_0(0\&1)+_0...(0\&1)}_n)=a^n
(\underbrace{(0\&1)+_0(0\&1)+_0...(0\&1)}_n)=b
n=\frac{b}{0\&1}
a+_{0\&1}b=a^{\frac{b}{0\&1}}


今のところ0\&1の値は不明なので、計算できるのはここまでです。


現段階でわかることといえば、今までと違い+_{0\&1}は非可換であることが挙げられます。


※非可換:交換法則が成り立たないこと


あと交換法則といえば、\&演算自体が可換かどうかを確認していませんでした。


定義を見ても判断できないので、とりあえず1\&0を計算してみます。

  • a+_{1\&0}(1\&0)=a
  • a+_{1\&0}((1\&0)+_1b)=a+_0(a+_{1\&0}b)

a+_{1\&0}(\underbrace{(1\&0)+_1(1\&0)+_1...(1\&0)}_n)=a×n
\underbrace{(1\&0)+_1(1\&0)+_1...(1\&0)}_n=b
n=\text{log}_{1\&0}b
a+_{1\&0}b=a×\text{log}_{1\&0}b


全っ然違う式になりました。


ということは、\&演算は非可換であるということになります。


そして、+_{1\&0}も非可換です。


ところで、+_{0\&1}+_{1\&0}を見比べてみると、

  • +_{0\&1}は冪乗と割り算でできている
  • +_{1\&0}は対数と掛け算でできている


という関係があることが分かります。

  • 割り算と掛け算は互いに逆演算の関係である
  • 冪乗と対数は互いに逆演算の関係である


…これ、何かありそうですね。


答えを先に言うと、

  • a+_{0\&1}(c+_{1\&0}b)=a^{\frac{c×\text{log}_{1\&0}b}{0\&1}}=((1\&0)^{\frac{c}{0\&1}})^{(\text{log}_{1\&0}a)×(\text{log}_{1\&0}b)}
  • a+_{1\&0}(c+_{0\&1}b)=a×\text{log}_{1\&0}(c^{\frac{b}{0\&1}})=a×b×(\frac{\text{log}_{1\&0}c}{0\&1})

cは十分大きい任意の実数


という性質があります。


+_{0\&1}+_{1\&0}はそれ単体では非可換でも、二つ組み合わせると可換になるんですね。


これが他の合成演算でも成り立つのか気になるので、計算してみます。

  • a+_{0\&2}(0\&2)=a
  • a+_{0\&2}((0\&2)+_0b)=a+_2(a+_{0\&2}b)

a+_{0\&2}(\underbrace{(0\&2)+_0(0\&2)+_0...(0\&2)}_n)=\underbrace{a+_2a+_2...a}_n=2^{(\text{log}_2a)^n}
\underbrace{(0\&2)+_0(0\&2)+_0...(0\&2)}_n=b
n=\frac{b}{0\&2}
a+_{0\&2}b=2^{(\text{log}_2a)^{\frac{b}{0\&2}}}


  • a+_{2\&0}(2\&0)=a
  • a+_{2\&0}((2\&0)+_2b)=a+_0(a+_{2\&0}b)

a+_{2\&0}(\underbrace{(2\&0)+_2(2\&0)+_2...(2\&0)}_n)=\underbrace{a+_0a+_0...a}_n=a×n
b=\underbrace{(2\&0)+_2(2\&0)+_2...(2\&0)}_n=2^{(\text{log}_2(2\&0))^n}
n=\text{log}_{(2\&0)}\text{log}_2b
a+_{2\&0}b=a×\text{log}_{(2\&0)}\text{log}_2b


  • a+_{1\&2}(1\&2)=a
  • a+_{1\&2}((1\&2)+_1b)=a+_2(a+_{1\&2}b)

a+_{1\&2}(\underbrace{(1\&2)+_1(1\&2)+_1...(1\&2)}_n)=\underbrace{a+_2a+_2...a}_n=2^{(\text{log}_2a)^n}
\underbrace{(1\&2)+_1(1\&2)+_1...(1\&2)}_n=b
n=\text{log}_{(1\&2)}b
a+_{1\&2}b=2^{(\text{log}_2a)^{\text{log}_{(1\&2)}b}}


  • a+_{2\&1}(2\&1)=a
  • a+_{2\&1}((2\&1)+_2b)=a+_1(a+_{2\&1}b)

a+_{2\&1}(\underbrace{(2\&1)+_2(2\&1)+_2...(2\&1)}_n)=\underbrace{a+_1a+_1...a}_n=a^n
b=\underbrace{(2\&1)+_2(2\&1)+_2...(2\&1)}_n=2^{(\text{log}_2(2\&1))^n}
n=\text{log}_{\text{log}_2(2\&1)}\text{log}_2b
a+_{2\&1}b=a^{\text{log}_{\text{log}_2(2\&1)}\text{log}_2b}


  • a+_{0\&2}(c+_{2\&0}b)=2^{(\text{log}_2a)^{\frac{c×\text{log}_{(2\&0)}\text{log}_2b}{0\&2}}}=2^{\left((2\&0)^{\frac{c}{0\&2}}\right)^{\left(\text{log}_{(2\&0)}\text{log}_2a\right)×\left(\text{log}_{(2\&0)}\text{log}_2b\right)}}
  • a+_{2\&0}(c+_{0\&2}b)=a×\text{log}_{(2\&0)}\text{log}_2\left(2^{(\text{log}_2c)^{\frac{b}{0\&2}}}\right)=a×b×\left(\frac{\text{log}_{(2\&0)}\text{log}_2c}{0\&2}\right)
  • a+_{1\&2}(c+_{2\&1}b)=2^{(\text{log}_2a)^{\text{log}_{(1\&2)}\left(c^{\left(\text{log}_{\text{log}_2(2\&1)}\text{log}_2b\right)}\right)}}=2^{(\text{log}_2(2\&1))^{\left(\text{log}_{(1\&2)}c\right)×\left(\text{log}_{\text{log}_2(2\&1)}\text{log}_2a\right)×\left(\text{log}_{\text{log}_2(2\&1)}\text{log}_2b\right)}}
  • a+_{2\&1}(c+_{1\&2}b)=a^{\text{log}_{\text{log}_2(2\&1)}\text{log}_2\left(2^{(\text{log}_2c)^{\text{log}_{(1\&2)}b}}\right)}=(1\&2)^{(\text{log}_{\text{log}_2(2\&1)}\text{log}_2c)×(\text{log}_{(1\&2)}a)×(\text{log}_{(1\&2)}b)}



(使いまわしですみません)


やはり+_{0\&2}+_{2\&0}+_{1\&2}+_{2\&1}でも同じ法則が成り立ちました。


さて、私の数学力ではここまでの検証が限界なので、ここで終わろうと思います。


それでは、さようなら。